泣きたい時にオススメの本~『とんび』父子家庭の心温まるストーリー~
『とんび』鳥の名前です。
とんびから何を連想しますか?
私は特に何も連想出来ませんでした。トンビと鷹の区別がつくか、自信が無いです。
このお話は、父子家庭でありながら、心が温まり、思わず泣けてしまうこと間違い無しです。
親の愛、子供の親を思う気持ちが伝わって来て、親の愛情について考えさせられるお話です。
親子の愛で泣きたいときに最高ですよ~。
ご紹介していきますね。
重松清 原作
2003年~2004年にかけて、新聞に連載されていました。
2012年1月 NHKで前編、後編の構成でドラマ化
2013年1月 TBSで連続ドラマ化
あらすじ
広島県備後市(架空の市)に暮らす、平凡で幸せな家族。時代は昭和37年、高度成長期の古き良き時代。
主人公のヤスは幼い頃に事情があり、養子として育った。
酒とタバコを愛するぶっきらぼうで、心優しい男。
愛する妻、美佐子との間に待望の子供であるアキラが誕生する。
愛する妻と愛しい息子。ヤスの幸せな人生がまさに始まったかに思われた。
ヤスの仕事場に美佐子とアキラがやって来たその時、悲劇が起こる。
崩れた荷物が小さなアキラの上に落ちてきたのだ。
とっさにアキラを突き飛ばした美佐子の上に荷物が崩れ落ちていく・・・
突然の事故で妻を失い、父と息子2人の家庭になった、ヤスとアキラ。
ヤスはアキラに妻の死の真相を隠していた。自分のせいだと思わせないために。
アキラはヤスがひとりで育てたというよりも近所の人達みんなで育てたと言っていい状況。
世話好きな小料理屋の女将さんやお寺の住職、ヤスの仕事仲間、みんながヤスとアキラを見守っているという感じ。
アキラは曲がること無く、育っていく。
思春期には後輩を殴ってしまい、その父親が文句を言いに家に来たことも。
最初は謝っていたヤス。「殴ってしまって申し訳無い。よく言って聞かせます。」
どんなに謝っても言いつのる相手の父親。「あんた、甘やかし過ぎているんじゃないか。」
「親が甘やかさないで、誰が甘やかせるんだ!!」ぶちキレるヤス。
それを聞いていたアキラは心の底から反省と後悔をする。
大学を受験する年頃になったアキラは東京の大学を希望するが、反対するヤス。
アキラが離れていく事が寂しかったのだ。
同じ頃、ヤスの父親代わりでもあった住職が死の時を迎える。
東京に旅立つアキラを見送れないヤス。家を出るアキラに背を向けたまま。
しばらくしてから自転車で追いかけるヤス。
電車に乗ったアキラに大きく手を振る。
東京の大学へ行き、そのまま就職したアキラは出版社に勤める。
アキラの勤める出版社へ挨拶に行ったヤスは就職試験でアキラが書いた論文を読む。
そこには妻、美佐子の死の真相が書かれていた・・・
住職が死ぬ前にアキラに伝えていたのだ。
ヤスはきっと話さないだろうから。と
勝手な感想
NHKではヤスを堤真一さん、アキラを池松壮亮さん、美佐子を西田尚美さん、小料理屋の女将を小泉今日子さんでした。
申し訳なくもアキラ役の池松壮亮さんを初めて拝見しました。
たくさんの大人達に大切に育てられたアキラがぴったりでした。
密かにヤスが好きだった女将さんは「一緒に暮らさない?」的な告白をするのですが、女心に鈍いヤスは「はぁ??」意味が分かんねぇときょとんとした顔。
それを見て「もう、ええわ~。」ガックリと言うキョンキョンの可愛いこと。
わたし、初めて広島弁ってかわいい!!そう思いました。
TBSではヤスを内家聖陽さん、アキラを佐藤健さん、美佐子を常磐貴子さん、小料理屋の女将を麻生祐未さんでした。
NHKで先に放送しているドラマを連ドラにしているので、伸ばしている感はありました。
力のある俳優さんで固めましたね。そりゃそうですよね~。
視聴率はTBSの方が上でしたが、個人的にはNHKの方が好きでした。
上京するアキラを追いかけて、電車を見送るシーンはボロボロ涙が出ました。
アキラがひとり残していく父親に向けて書いた手紙も泣けました。
母親の死因を話さなかった父に感謝するまでに成長出来たのは、父の思いを真っ直ぐに受け止められる心があったからです。
その心をはぐくんだのは、アキラを見守り育ててくれた周囲の大人達のおかげでもありました。
昭和の30年代後半は、現代に比べれば色んな便利なものがありませんでしたが、心は豊かだったように思いました。
ドラマを観てから本を読むのもいいですし、先に原作を読んでからドラマを観るのもまたいいのではないでしょうか。
自分が感じた印象とドラマとではまた、イメージが違います。
その辺りも楽しんで頂けたら、うれしいです。